1巻
vol.1 ハチロク買おーぜ
拓海とイツキは、免許取りたての高校3年生。走り屋の世界にあこがれるイツキは、「共同でハチロクを購入しよう」と拓海に持ちかけるが、拓海はあっさり却下。自家用車で豆腐の配達をイヤイヤやらされている拓海は、車に一切興味がもてなかったのだ。当然、自分の家にあるトレノがイツキの言う「ハチロク」であることも気づいていない…。
ある土曜の夜、バイト先の先輩・池谷がイツキと拓海を自分のS13に乗せ、ホームコースである秋名山へ向かう。
すると、秋名では見かけない連中が声をかけてきた。赤城最速のレッドサンズという走り屋チームだった!!
vol.2 最速!!ロータリー・ブラザース
赤城レッドサンズには、超有名な高橋兄弟の姿が…。秋名山最速の走り屋をたずねて来たという。池谷は、「秋名最速は自分達のスピードスターズだ」と宣言。すぐさま交流戦を申し込まれ、断る理由もなく池谷はOKを出した。
が、それはまぎれもなく「挑戦」だった。交流戦は、来週の土曜日…。
秋名山で朝方まで練習走行していたレッドサンズの高橋啓介がようやくひきあげようとした時、啓介が乗るFDの背後から1台の車が近づいてきた。啓介は追い越されまいとアクセルを踏み込む!!
vol.3 究極のとうふ屋ドリフト
啓介は、ついてくる車を見て衝撃を受ける。ハチロクだ!最新のFDをあやつる啓介にとって、パワーの劣るハチロクを引き離せないのは、相当の屈辱だ。なおも逃げるが一向に差は縮まらない。
その時!ハチロクはFDのイン側をするりと抜けて行く。ハチロクが右コーナーにさしかかり、オーバースピードで体勢をくずすかに見えたが、それは次の左コーナーへの姿勢作りだった。鮮やかに決まった慣性ドリフトに圧倒されて啓介はスピン!そして、秋名山で死んだ走り屋の幽霊でも見たのかと自分の目を疑う。
ある日、拓海の自宅に突然、茂木なつきから電話が。なつきの元彼・御木先輩を殴った過去がある拓海。
なつきは「仲直りしよう」と切り出す…。
vol.4 池谷の悲壮な決意!!
ガソリンスタンドの店長・祐一が「秋名最速」と断言していた、とうふ屋のハチロクを探し当てた池谷。
なんとそこは、拓海の家だった!拓海は、トレノが「ハチロク」と呼ばれていることを池谷から教えられる。
池谷は、赤城レッドサンズとの交流戦を前に、タイヤとブレーキパッドを新品に交換し、タイムアップを図るべく秋名の峠を攻めていた。敗色濃厚とはいえ、地元としての意地を見せつけてやるつもりだ。
vol.5 リベンジ宣言!!吠える13Bターボ
偶然、池谷がバイトしているガソリンスタンドに啓介のFDが給油に訪れる。そして、啓介の口から思いもよらぬ発言が…!この前、白黒のパンダトレノに負けたというのだ。前に店長が言っていた言葉が池谷の頭をよぎる。~秋名山の下り最速は、とうふ屋のハチロクだ!~全く信用していなかった池谷だったが、半信半疑にならざるを得なかった。
その晩も池谷は秋名を攻め続けるが、一向にタイムは縮まらず途方にくれる。
vol.6 なつきの秘密・・!?
なつきは、拓海を突然校舎の屋上に連れ出し、かわいい水着を買ったから海へ行こうと誘う。
なつきのことを意識しはじめる拓海…。
一方、池谷は「秋名の下り最速」と噂される豆腐屋のおやじ・藤原文太を訪ね、交流戦のことを話す。
そして、秋名の代表として走ってくれないかと頼むが断わられる。
それがダメならと、ドラテクを教わろうとするが、「教えられて身につくもんじゃねぇ」と文太に一蹴される。
vol.7 無残!池谷クラッシュ!!
悩みながら秋名を攻めていた池谷の目に対向車のライトが…!時すでに遅し。正面衝突は免れたものの、ガードレールに激突、病院送りとなった。それでも池谷は、ギブスと包帯すがたで豆腐屋を訪れ、もういちど文太に交流戦参加を頼む。そんな池谷に心を打たれたのか、文太はある作戦を考えることに…。
なつきとのデートのため、ハチロクを貸してくれと頼んだ拓海に、文太は「今度の土曜、秋名の下りでFDに勝って来るならガソリン満タンで貸す」と条件を出した。文太の作戦…、それは拓海にバトルをさせることだった!
vol.8 交流戦突入!!
ついに交流戦当日。池谷は、再び文太のもとへ足を運ぶ。文太の返事は「行ってやれる可能性は五分五分」。
だが池谷は、必ず来てくれると信じていた。チームの仲間達は、池谷の言う"とうふ屋のハチロク"の話が本当なのか不安を感じていた。そして、いよいよ赤城レッドサンズが秋名山に到着!
vol.9 聞け!!4A-Gの雄叫びを
手なれた感じで指揮をとるレッドサンズ。22時のタイムアタックまでは、フリー走行。
高橋兄弟は、ギャラリーをわかせるパフォーマンスをくり広げる。
一方、文太の作戦にまんまと引っかかった拓海は、わけのわからぬまま秋名山へと出発する。
vol.10 ダウンヒルスペシャリスト
まもなく約束の22時を迎えるが、例のハチロクが来ていないことに啓介はイラダチを覚える。時間になってもハチロクは到着せず。仕方なく、秋名の代表は180SXに乗る健二に任せられるが、自信のない健二は、つらそうな表情…。
カウントダウンをはじめたその時、ゴール地点から一般車が上がっていったという連絡が!
池谷が車種をたずねると、白黒のパンダトレノだという!待ちわびていたハチロクの登場にスタートは一旦中止!
2巻
vol.11 拓海!!電光石火
到着したハチロクの運転席には、拓海の姿が。おやじさんが来てくれなきゃ意味が無いと池谷は困惑する。
「おやじに行けといわれたから…」という拓海。しかも先日FDに勝ったという!
まさかと思った池谷は、とうふの配達についてたずねる。拓海は、家の手伝いのため、5年前から毎朝秋名山を往復していたことを告白!ようやく状況を飲み込めた池谷は、拓海にバトルを託す。
そしてタイムアタックが幕を開ける!FDが先行し、後に続いてハチロクが第一コーナーへ!
いままで誰も見たこともないようなラインとスピードでコーナーをクリアしていく!
vol.12 ドッグファイト
スタート直後は余裕の啓介だったが、バックミラーにうつるハチロクは、どんどん差を縮めてくる。あせる啓介に対し、余裕の拓海。差は無くなるが、抜かないことには勝ったことにはならない。拓海は、"あれ"をやる決心をする。
vol.13 決着!!拓海の得意技
パワーの劣る車に追い込まれ、屈辱をあじわう啓介。2台は、5連ヘアピンに向かう。ヘアピンカーブの手間で減速するFD。しかし!ハチロクがイン側へ切り込んでくる。ギャラリーからもハッキリわかるオーバースピード!万事休すと思われたが、ハチロクは排水用の溝にタイヤを引っ掛けたコーナリングでヘアピンをみごとにクリアし、FDを抜き去る!
vol.14 海は広いね 大きいね
啓介に快勝した拓海は、おやじとの約束どおり、ガソリン満タンでなつきと海へ出かける。
海を眺めながら、昨晩初めて味わったワクワクするような感覚を思い返す拓海。それに、なつきとの楽しいドライブ…。
今まで車に魅力を感じたことがなかった拓海が、はじめて「車って楽しいなぁ…」と思えたのだった。
その頃、池谷たちが働いているガソリンスタンドでは、拓海の話で持ちきりだった。
vol.15 頂上対決!!
弟のかたき討ちのためであろう、高橋涼介が秋名山を走っていると、後ろから追走する車が…。
GT-R(R32)だ!涼介は、実力を探るべくスピードを上げる。山頂まで行ったところで、お互い顔を合わせる。
追走していたのは、妙義ナイトキッズのリーダー・中里毅だった。秋名のハチロクをしとめるつもりだ!
vol.16 池谷の貴重な体験
池谷は、拓海のスーパードリフトテクニックを参考にするため、無理に頼んでハチロクの助手席に乗せてもらうことにした。発進して間もなく最初のコーナーに突入。想像を超えた拓海の異常なドライビングに池谷の意識が薄れていく…。そして3つ目のコーナーであえなく失神!伝説に残る「恐怖のダウンヒル コーナー3つで失神事件」となった。
vol.17 新たなる挑戦者(チャレンジャー)!!
高橋兄弟がFDの敗因について語る。ターボパワーを強化した350馬力のFDだが、パワーが出すぎてもダメな時がある。後輪だけでパワーを路面に伝えるFRの宿命だと説明する涼介。
では、妙義ナイトキッズ・中里の乗る4WDのGT-Rならどうだ?ハチロクに勝機はあるのか…。
そしてある日、拓海達のバイト先に中里が現れる!
vol.18 拓海のプライド
バトルの申し込みに来た中里にスピードスターズのメンバーだと思われ、調子にのったイツキは、拓海の了解なしにうっかり挑戦を受けてしまう。だが、当の拓海にはバトルのことを言い出せない…。
あせるイツキをよそに、噂はどんどん広まり、ついに拓海にもバレてしまった。困惑する拓海。
池谷は、いまさら逃げられないとは思うものの、相手がパワーのあるGT-Rだけに、拓海を説得するべきか悩む。
ある朝、とうふの配達に向かう拓海の前に高橋啓介の姿が…!
vol.19 オレはGT-Rなんざ怖くねぇ!!
GT-Rと対戦する噂を聞いて拓海に会いに来た啓介。しかし拓海は、やる気はないと答える。啓介は、そんな拓海の態度に腹を立て、走り屋のプライドを持てと言い放つ!だが、走り屋だという自覚がない拓海は、納得がいかない。
池谷やイツキの話を聞いていたスタンドの店長・祐一。無理に説得するとかえって意地になる拓海の性格を利用し、機転を利かせて、うまくバトルへ導く。すっかり走る気になった拓海はハチロクを取りに家に戻るが、ハチロクがない!
vol.20 バカおやじ ハチロク返せ!!
池谷・イツキ・健二は、秋名山頂上へと向かう。拓海が来ないことをナイトキッズにあやまるつもりだったが、ギャラリーであふれる峠の雰囲気からそうも行かない様子。
池谷と健二はイツキを残し、もういちど拓海を説得しに藤原とうふ店へ行く。
するとそこには、やる気満々の拓海がいた。おやじが車に乗っていったまま行方不明と聞き、悔しがる池谷と健二。
時間が迫る…。と、その時!ハチロクのエキゾーストが聞こえた!拓海にはわかった。おやじが帰ってきた!
vol.21 GT-Rの弱点
早速おやじにハチロクを借り、拓海は秋名山へ向かう。
ドリフトを卒業し、グリップ走行にこだわる中里は、山頂でハチロクを待ちわびていた。GT-R相手にハチロクに勝ち目はないと誰もが思っている中、文太と高橋兄弟だけはGT-Rの弱点を見抜いていた。GT-Rはボディの重さが命取りになる。ただでさえフロントに荷重がかかるダウンヒル、終盤ではタイヤとブレーキがタレると断言!
3巻
vol.22 拓海の全開ドライブ
拓海と中里の対決がスタート!特等席からバトルを眺めるため、その後を追うように涼介のFCが走り始めた。
中里はハチロクとの純粋なバトルを望むため、ストレートではアクセルをゆるめてハチロクを引き離さない。
そして、コーナーにさしかかった段階でスピードを上げていく。拓海は、得意のブレーキングドリフトで追走する!
vol.23 GT-Rを追いつめろ!!
拓海は、ハチロクの挙動がいつもと違うことに気づく。セッティングが変わっている?
いつもよりワンテンポ、アクセルを早く踏める!おやじが出かけていた理由は、これだったのだ!
調子づく拓海はペースを上げ、中里のGT-Rを追いかける。涼介のFCも本気モードで追走!
vol.24 限界バトル!!
低速コーナーにさしかかり、ハチロクは突っ込みで差をつめるが、GT-Rの立ち上がり加速にはついていけず差が広がる。だが高速コーナーでは、人間離れした拓海のドライビングでハチロクが差を縮めている!
追走する高橋兄弟は、拓海の速さの秘密にようやく気づく。
vol.25 爆裂5連ヘアピン!!
ABSをきかせながら、こじるようにステアリング操作を続けてきた中里のGT-Rに異変が…。フロントタイヤの応答性が悪くなってきたのだ。5連ヘアピンにさしかかるが、ハチロクの溝落としを警戒する中里は、イン側を開けない。
だが、ハチロクはスーパーテクニックでアウト側からプレッシャーをかける!
vol.26 極限コントロール
プレッシャーを受け、冷静さを欠く中里。コーナーへの進入スピードをあげるため、ハチロクがイン側に来ないことを確認し、わずかにイン側を開ける。すると!バックミラーに写っていたはずのハチロクが、わずかに開けたイン側へもぐり込んだ!中里は、肝心なところでアンダーを出してしまいハチロクに並ばれてしまう。
立ち上がりでGT-Rの本領を発揮すべくアクセルを踏み込むが、あえなくスピン!ハチロクの勝利が決まる!
vol.27 イツキのレビン登場
イツキはみんなに内緒でハチロクレビンを購入していた。納車日にバイト先のみんなにおひろめ!エンジンをかけ、喜びをかみしめるイツキ。しかし、イヤな予感がする祐一。ボンネットを開けて確認すると…。なんと!ハチロクじゃなくハチゴー!池谷と健二に大笑いされ落ち込むイツキ。だが拓海だけは、自分の車を持ったイツキをうらやましく思う。
vol.28 友情パワー レビン激走!!
拓海になぐさめられ気をよくしたイツキは、拓海とともに秋名山へ走りに行く。山頂に到着したハチゴー。
たまたま、そこにいたナイトキッズの連中がイツキのハチゴーをバカにして、山を降りていった。
キレた拓海は運転をかわってくれとイツキに頼み、やつらをノーマルのハチゴーで追いかけることに…!
vol.29 もう一人の下り(ダウンヒル)スペシャリスト
あっという間に追いつくが、なにせ"ハチゴー"なのでなかなか抜けない。仕方なく必殺技の"溝落とし"をくりだし、あっけなく2台を追い抜いていく!ハチゴーでも腕さえあれば速く走れることが証明され、拓海に感謝するイツキ。
その頃、妙義ナイトキッズではもう一人のダウンヒルスペシャリストがハチロクへの挑戦をたくらんでいた。
シビック(EG-6)に乗る庄司慎吾だ!
vol.30 デンジャラス慎吾
ようやくマイカーのS13がなおってゴキゲンの池谷は、早速秋名山へ走りにでかける。サイドブレーキを使ったサイドターンを練習し、秋名のコーナーで実践。その時、コーナー入り口で後ろから何者かにプッシュされる!
危うく事故るところだったが、練習していたサイドターンのおかげでなんとか事故をまぬがれた。
vol.31 拓海VS.慎吾
池谷は、昨夜のことを拓海達に話す。すぐさま追いかけたが、ものすごいスピードでついていけなかった。
相手はシビック(EG-6)で、左足ブレーキを使う。つっこみの速さは拓海以上かもしれないと…。
そんな話の後、池谷は「いちど自分のS13で秋名を走ってくれ」と拓海に頼む。
vol.32 狂気のデスマッチ
拓海はS13をなんなく乗りこなし、本気のブレーキングドリフト!
池谷は助手席から拓海のドライビングを見るが、レベルが違いすぎて参考にならない。
そこへ、昨日のEG-6が現れた!殺気立つ池谷は、昨日のことをあやまれと叫ぶ!だが、強気の慎吾は、俺達のルールでバトルして勝てたら、土下座してあやまってやると言う。ムカついた拓海は、挑戦を受けると言い放つ!
しかし、そのルールは、右手とステアリングをガムテープで固定するというもの。
FR殺しの罠だと気づいた池谷は、拓海を止めるが、拓海は一切聞こうとしない。
4巻
vol.33 進化する天才!!
勢いよく2台がスタート!拓海は、いつもよりスピードをセーブしたブレーキングドリフトでコーナーへ突入するが、右手とステアリングが固定されているため、カウンターステアの舵角が足りない!ハチロクは、コントロール不能の領域へ…。しかし拓海は、とっさの判断でシートから腰をずらし、右ひじをきしませながらステアリングをさらに切り込み、なんとか姿勢を取り戻す!このルールに潜む罠を身をもって知った拓海。だが、徐々にこのバトルのコツをつかんでいく。
vol.34 慎吾のあせり
すぐにハチロクが事故ると確信していた慎吾は、後ろから高みの見物をするつもりだったが、最小限のカウンターであざやかにコーナーをクリアして行くハチロクに驚きを隠せない。抜こうと思えばいつでも抜けるが、ただ勝つだけではおもしろくない慎吾は、拓海に執拗なプレッシャーをかける。しかし、拓海はプレッシャーをものともせず、逆に走りに磨きをかけていく!拓海のテクニックが本物だと思い知らされた慎吾は、手段を選ばず抜きに行く!
vol.35 反撃!!ダウンヒルの真髄
先行するハチロクがコーナーへ突入する直前、慎吾が後ろからプッシュ!ハチロクがスピンした間に前に出る。
スピン状態のハチロクは、偶然にも360度ターンしたあと、何事もなかったかのように走りはじめた!
わざとぶつけてきた慎吾に、拓海は完全にキレる!冷静さをなくし、一見無謀とも思えるドライビングをする拓海だが、キレればキレるほど速くなるという才能を秘めていた。ハチロクは、あっという間にEG-6につめ寄る!
vol.36 究極のダウンヒラー
5連ヘアピンに突入したハチロクは、EG-6のイン側へ強引にきり込み必殺技の"溝落とし"をくり出す!インベタの苦しいラインなのにあっさり抜かれたことを理解できない慎吾。自らが仕掛けたガムテープデスマッチで負けるわけにはいかないと、ダブルクッラシュをもくろむ。慎吾は、車のポテンシャルを生かし、ストレートでハチロクに並び、ハチロクに体当たり!…のはずだったが、ハチロクのつっこみが速すぎ、かわされてガードレールに激突!拓海の勝利が決まる。
vol.37 そして拓海はまたボケる
翌朝、キズのついたハチロクを見た文太が「なんだこのザマは」と拓海に一喝!しかし、バトルの途中でキレていた拓海は、昨日のことをあまり覚えていない。拓海のボケっぷりに怒る気も失せてしまう文太。
ハチロクに愛着を持ち始めていた拓海は、ハチロクを傷つけてしまったことに落ちこむ…。
vol.38 さりげなく 文太の底力!!
キズをなおしたついでに足回りをいじったハチロク。文太は祐一をとなりに乗せ、"軽く流しに"秋名山へ。文太の異常な走りを昔から知っている祐一は、いやな予感。「ちょっとだけ攻め込むぞ」と文太。予感は的中!ドリフト中に手放しで、よそ見しながらタバコに火をつけている!間一髪!ガードレールすれすれのコーナリングに命の危険を感じる祐一。だが、それは試運転に過ぎなかった。そして、いよいよ本気モードへ突入!祐一の悲鳴が秋名山に響いた…。
vol.39 白い彗星!!高橋涼介始動
池谷から、FCに乗る赤城の白い彗星・高橋涼介の噂を聞く拓海。プロからも誘いが来るほどのドライバーらしい。
もしバトルを挑まれたらどうすると聞かれ、「やってみたい気もする」と、これまでと違った答えを返す拓海。
走り屋らしくなった拓海の進歩に喜ぶイツキだが、拓海は、まだ自分が走り屋だとは思っていない。
数日後、拓海にメッセージつきの花束がとどく。送り主は、高橋涼介…。バトルの挑戦状だった!
vol.40 意外なチューニング
涼介は、拓海とのダウンヒルバトルに備えFCの馬力を下げた。てっきりパワーをあげるものだと思っていた啓介は、デチューンに驚きを隠せない。「下りを制する鍵は、パワーではなくトータルバランスだ」と語る涼介。上りと下りの両方で速い車づくりを目指していた涼介にとって、デチューンは屈辱だが、プライドを捨ててでも負けられない。
拓海となつきは、秋名湖の駐車場にハチロクを止め、車内で話す。なつきは、拓海が御木先輩を殴った理由を知り、誤解していたことを謝る。拓海のそばにそっと近づくなつき…。そして、ふたりはファーストキス!
vol.41 イライラするぜ 拓海の女ボケ
涼介とのバトルが2日後にせまっているのに拓海のボケっぷりがひどい。
拓海が女ボケしていると確信したイツキは、拓海を目覚めさせるべくハチゴーで秋名山へ連れ出す。
拓海がキスした話を聞き、イツキはエスカレート。キスの先のことばかり考えてるんだろうと拓海をせめる。
しかし、拓海が本当に考えていたのは、今度の涼介とのバトルの先に何があるかということだった…。
vol.42 ライバル達の前夜祭!!
今度のバトルで勝利するのは、兄の涼介だとわかりきっているが、何かしっくりこない啓介は、がむしゃらに秋名の上りを攻めていた。後ろから車がついて来る…GT-Rにのる中里だ!ちょうどバトルの相手が欲しかった啓介は、アクセルを踏み込み全開走行へ!中里も追走開始!頂上まで上りきったふたりは、口をそろえて「俺の全開走行はこんなもんじゃない」。バトルの続きは、レッドサンズの妙義遠征まで預けておくことになった。
vol.43 拓海発進 運命の瞬間!!
いよいよバトル当日。一大イベントを前に秋名の峠全体が重苦しい空気に包まれている…。そんな中、涼介は「ストリートで負ける時がきたら引退する」と啓介に伝える。意外な発言にうろたえる啓介に、涼介は、まだ負けるつもりは無いが、世代交代は必ずあると忠告。さらに涼介は告白する。自分がいつか抜かれると思った走り屋は、今までにふたりしかいないと…。そのひとりは、弟の啓介。そしてもうひとりは…。そのとき、ハチロクが姿をあらわす!
5巻
vol.44 ドリフト対ドリフト
秋名山の歴史に残る一大対決!涼介のFCと拓海のハチロクが同時にスタート。涼介は、わざとハチロクの後ろにつく。前半はわざと先行させ、後ろからブチ抜く…涼介がここ一番の大勝負で見せる、いつも通りのスタイルだ。
ハチロクがドリフトで第一コーナーへ…。後に続くFCもドリフトで対抗。
本来ドリフトを多用しない涼介だが、今回は相手の得意分野でねじふせるつもりだ!
vol.45 拓海苦戦 はじめてのプレッシャー
追走する涼介が拓海のドライビングの変化に気づく。ターンイン直後に、大きめのカウンターをあてるクセがなくなっていたのだ!短期間で欠点が消えてしまっていることに驚きを隠せなかったが、そこはストリートキングの異名を持つ涼介。動揺することなく、勝つためのシミュレーションに少し変更を加え、自らの勝利を確信。全力で逃げるハチロクにピッタリとくいついて行く。拓海は、全力で逃げても引き離せないFCに、今までにない大きなプレッシャーを感じていた。
vol.46 絶体絶命
前を走るハチロクのラインとリズムをコピーしているおかげで、なんとかついて行くことができている涼介。
追走を続けるうちに、拓海のドライビングに感動を覚える。
公道最速理論を研究し続けてきた涼介にとって、拓海のドライビングが限りなく理想に近かったからだ。
バトルの駆け引きには、ずぶの素人である拓海は、ピッタリついてくる涼介が数段格上にしか思えない。拓海は、必殺技の"溝落とし"をくりだすが、なんと涼介も同様に溝落としで対抗!拓海は、絶体絶命の窮地に追い込まれる!
vol.47 痛恨のアンダーステア
激走する2台は、長いストレートから5連ヘアピンへのハードなブレーキング競争へ!プレッシャーに押され続けた拓海が集中力を切らし、痛恨のミス。ブレーキングでスピードを落としきれず、アンダーステアを誘発。その間にFCが前へ出る!予定より早く前に出てしまった涼介だが、拓海が立ち直る前に一気に差をつけ勝負を決めに行く!
抜かれたらあっという間において行かれると思っていたが、意外と差がつかないことに気付く拓海。
再び戦意を取り戻し、追撃を始める!
vol.48 涼介の誤算
少しずつだが、ハチロクとFCの差が縮まっていく。そして涼介のFCに異変が!前半にハチロクの走りを無理にコピーしたため、フロントタイヤに負担がかかり熱ダレを起こしてしまったのだ。涼介は、くいつきの悪くなったタイヤでペースダウンを最小限に抑えたドライビングに切り替える。じわじわと追いついてくるハチロク。
同じようなペースで走ってきたはずなのに、自分のタイヤだけが熱ダレを起こしていることに疑問を感じる涼介。
vol.49 火花散らすラインクロス!!
2台は、テール・トゥ・ノーズのまま、ストレートを激走。そして、ゴール間近の左コーナーへ。ハチロクを内側に飛び込ませないため、涼介はインを締める。行き場の無いハチロクは、アウト側からFCに並びかけ、そのままコーナーへ突入。最短距離を抜けるイン側が絶対有利!FCがぐんぐん前にでる。だが、入口より出口の方がきついコーナーでスピードが乗りすぎていたため、FCのラインが外側へ膨らむ!ハチロクは、その隙にイン側へと滑り込み、ラインをクロスしながらFCの前へ!この瞬間、奇跡のダウンヒルバトルは幕を閉じ、高橋涼介の不敗神話に終止符が打たれた!
vol.50 新境地へ向けて
「広い世界に目を向けていけよ…」
バトル後に涼介が言った言葉に、拓海は、先日からモヤモヤしていたことの答えが見つかったような気がした。
一方、碓氷峠では、ハチロク対FCのバトルを見ていた二人の女の子が話していた。
碓氷最速コンビと言われている、お嬢様タイプの真子と負けん気の強い沙雪。
あんなに凄い二人とバトルしたいと思う真子に対し、「碓氷で迎え撃てば、絶対に負けない」と強気の沙雪だった。
vol.51 ホレた相手が悪いかも?
釜めしやの駐車場で、1台の軽自動車が故障で止まっている。たまたま前を通りかかった池谷、車のこととなると放って置けない。んっ!そこにはドキッとするような、スタイル抜群のきれいな女性!緊張のあまり、ぎこちない態度の池谷だったが、なんなくトラブルを解消。その女性はお礼をしたいからと、連絡先を書いたメモを手渡す。
「私、佐藤真子。電話してね!」嬉しさのあまり、30分ほど放心状態になる池谷だった。
vol.52 暗雲たちこめる避暑地の恋
池谷は、真子ちゃんとふたりきりの初デートのため軽井沢へ。ひそかについて行くつもりだった健二・拓海・イツキの3人だが、途中で池谷に見つかってしまう。しかたなく、池谷は3人を真子ちゃんに紹介。
話をしている内に、真子ちゃんが走り屋に興味があると推測する池谷。自分にピッタリだと思い、さらに真子ちゃんへの思いを深める。しかし、真子が碓氷最速のシルエイティにのるドライバーだとは、知るよしもなかった…。
vol.53 池谷 純愛まっしぐら
初デートは順調に進行。池谷のチームであるスピードスターズの話題などで盛り上がる。
有頂天になる池谷は、ろくなドリフトもできないくせに、見栄をはってドリフトを教えてあげるなどと言ってしまう。
楽しいデートも終わり、別れぎわに勇気を振り絞って、真子ちゃんにつきあってる男がいるのかを聞く。答えは、「彼氏いないの。だからまた遊んでくださいね」。またまた放心状態の池谷。そこに、健二たちが声をかけ合流する。
vol.54 真子のバージン あげます!!
せっかく碓氷峠まで来たからと、走り屋をギャラリーしに行く池谷たち。碓氷最速といわれるシルエイティが猛スピードで通り過ぎていった。すごい走りを間近で見せつけられた池谷は、真子に見栄をはったことを後悔する。帰り道、碓氷峠をやけに飛ばす池谷は、勢いあまってスピン!そこへ対向車線を走るシルエイティが!間一髪、衝突はまぬがれた。シルエイティのドライバーに謝る池谷が顔を上げると…なんと相手は、真子だった!気分は一気にどん底…。
翌日、池谷に真子から電話が!まさかの呼び出しに困惑する池谷に、真子が思い切って伝える。
「池谷さんがイヤじゃなかったら…あたしと…ホテル…行きませんか…」。
6巻
vol.55 君のためならオレはやる
今まで男とつきあったことがない走り屋の真子だったが、今年の夏を最後にある決心を固めていた。
今年の夏で走り屋をやめると…。真子は自分の走りにけじめをつけるため、最後の思い出として秋名のハチロクと碓氷でバトルさせてくれるよう池谷に頼む。そして、「かなえてもらえるなら池谷さんにバージンあげます」と言う。
この時、池谷は感じた。真子ちゃんの本当の目的は、自分との交際じゃなく拓海とのバトルだったのかと…。
絶望する池谷だったが、それで真子ちゃんがよろこんでくれるならと、拓海に頼みこんでバトルしてもらうことに…。
vol.56 未知への挑戦
碓氷へ向かう途中、健二が池谷に「自分のしたことの重大さがわかっているのか」と問いつめる。
女に弱いのは仕方ないが、女にいれこんで友達を売るようなマネをする池谷が許せなかったからだ。ようやく目が覚めた池谷は、拓海にバトルをやめるよう伝えるが、拓海はすでに自分の意思でバトルすることを決意していた。
vol.57 文太の予言 拓海は負けねえ!!
碓氷でのバトルは道幅が狭いため、先行が後追いをちぎれば勝ち、ちぎれなければポジションを入れ替えて決着がつくまでくり返すという、先行後追い形式のバトル。最初のポジション選択権は拓海にわたされた。
初走行なんだからと先行ポジションをすすめる池谷達だが、意外にも拓海は後追いを選択。
その頃、碓氷にバトルしに行った拓海を心配した祐一は、文太に電話する。
ところが文太は「オレが仕込んだ走り屋だぞ」と電話を切ってしまうのだった。
vol.58 熱風!!激走!!碓氷峠
拓海が後追いを選んだ理由は、ものすごく単純な発想だった。相手が空を飛ぶわけじゃなし、タイヤが4コついてる同じ車なんだから、相手が曲がれるコーナーなら同じスピードで自分も曲がれるはず。
それを聞いた池谷は、理解できない拓海の思考に困惑する。
いよいよ碓氷最速のシルエイティと秋名のハチロクがバトル開始!先行する激速シルエイティに離されまいと必死でくいついて行く拓海だが、自分のリズムで走れていないことに恐怖感を抱く。
vol.59 魅せろ 拓海のスーパードリフト!!
先行するシルエイティの走りをコピーするかのように、同じラインとスピードでついて行くハチロクだが、コーナー入り口でのほんのわずかな誤差が、出口では致命的な誤差にひろがっていく。そして、碓氷でいちばん難易度が高く、シルエイティと同じスピードで突っ込んでクリアできたものはいないという「C- 121」コーナーへ!!
アクセル全開ノーブレーキでつっこむシルエイティ!続いて、ハチロクも同じスピードでつっこむ!
vol.60 とりもどせ 最速のコンビネーション!!
ウルトラDの難易度を誇る、超ハイスピードからの4輪ドリフトで2台が「C-121」を駆け抜ける!
慣れている真子が立ち上がりでベストラインを5cm外したにもかかわらず、拓海は理想的なラインに修正して突破!
シルエイティのナビシートに座る沙雪は、ケタ違いの怪物をバトル相手に選んでしまったことに気づく。
脅威を感じ弱気になる沙雪だが、いつもとは逆に真子が喝を入れ、ふっきれた二人はさらに気合を入れて攻める!
vol.61 決着
今まで後ろばかりに気をとられていた真子だったが、ここでひらきなおり、後ろを見ないことを決意。
乗りきれていなかった本来のペースをとり戻す!しかし、沙雪には一抹の不安があった。ハイテンションの真子は気づいていないが、タイヤのグリップを完全に使いきった走りをしているため、ワンミスが命取りになる状態だったのだ。
しかし、そのおかげでさらにペースアップしているシルエイティ。拓海がもうついていけないと思ったその時!
コーナーで突っ込みすぎたシルエイティが体勢をくずし、スピン状態へ…!
vol.62 引退なんかしないもん!!
後ろを走っていた拓海は、スピンしているシルエイティとガードレールとのわずかな隙間をとっさの判断でくぐりぬけ、危機一髪!スピンターンで車を止め、拓海の勝利が決まった。
バトルには負けたが、走り始めた頃のワクワクする感じを思い出し、充実感を得る真子だった。
翌日、沙雪の提案で、みんなでプールへ。真子はやっぱり走り屋をやめないことを池谷に話し、この間の約束を切りだす。取り引きのつもりはなく、池谷さんならという思いだったことを伝え「真子のバージンもらって…ください…」。
vol.63 ジ・エンド・オブ・サマー
池谷は、真子ちゃんと初めて会った釜めしやの看板の下で、夜8時に待ち合わせる約束をした。
会話するうち、真子が高橋涼介にあこがれていたことを知る池谷。
ルックス・頭の良さ・経済性・ドラテク、男としてどれをとっても勝ち目のない池谷は、自信を失いすっかりブルーに…。
待ち合わせに行く気分になれない池谷はバイト先に寄り、店長に真子とのいきさつを話す。店長は、女心がわかっていない池谷を叱り飛ばし「すぐ約束の場所へ行け」と言うが、その時すでに約束の時間を30分も過ぎていた。
vol.64 ジ・エンド・オブ・サマー完結編(?)
真子の気持ちにようやく気づいた池谷は、車をとばして約束の場所へ向かうが渋滞!
真子は、約束の場所で精一杯のおめかしをして待ち続けていたが、池谷はいっこうにあらわれない。
自分に女としての魅力がなかったんだとあきらめ、涙を流しながら帰っていく…。その後すぐに池谷が到着!
だが、真子ちゃんの姿はすでになかった。池谷はその場にたたずみ、夏の終わりを感じていた…。
vol.65 進行するプロジェクト
高橋涼介が、「レッドサンズとは別に県外遠征のための少数精鋭でチームを編成する」そして「初めてのコースを短時間で攻略できる天才肌のドライバーを群馬全域から探す」と啓介に打ち明ける。レッドサンズからの選抜も考えているが、啓介以外は力不足と判断する涼介。手始めに、ストップしていた県内チームとの交流戦を再開することに…。
7巻
vol.66 高橋啓介に死角なし!!
赤城レッドサンズでS14(シルビアQ’s)にのり、啓介が目をかけているドライバー・ケンタは、高橋兄弟が秋名のハチロクに負けたことをくやしく思い、なぜリターンマッチの要求をしないのかを啓介にたずねた。
熱くなるケンタとは対照的に、負けは負けと事実を認め、他にやることがたくさんあるとクールに答える啓介。
次は妙義ナイトキッズ・中里とのバトル。あらためて啓介のかっこよさにホレボレするケンタは、間接的にでも高橋兄弟のすごさを見せつけてやりたいという思いでいっぱいだった。
vol.67 激闘ヒルクライム!!
妙義山ではいよいよ、妙義ナイトキッズと赤城レッドサンズの交流戦が始まろうとしている。
バトルするのは、R32に乗る中里とFDに乗る啓介。どちらも秋名のハチロクに敗れた直後のバトルなだけに、負けが許されない状況。顔を合わせた二人がはやくも火花をちらす!
一方、拓海とイツキは交流戦をギャラリーするため、ハチロクで妙義山頂上へ向かっていた。
vol.68 激突するプライド!!
ギャラリーに来た拓海の存在を知り、いやおうなしに気合が入る啓介と中里。
そしてバトルがスタート!両者ハイパワーマシンでロケットスタートを決めるが、停止状態からのスタートダッシュは4WDのR32が有利。スタートで前に出た中里を啓介が追うかたちでバトルが始まった!
vol.69 驚異のハイテク戦闘機を追え!!
中里が乗るR32(GT-R)には、先進のアテーサETSシステムが装備されており、FRのコントローラブルな回頭性と4WDの強力なトラクションを合わせもつ。そんなハイテク戦闘機の性能を生かした中里のドライビングは、追走する啓介にプレッシャーをあたえていた。しかし、地元のヒルクライムでついてこれるやつはいないと思っていた中里も、啓介の走りに驚きを隠せない。そして、負けるわけにはいかないと、命がけで走る覚悟を決める!
vol.70 そこまで曲がるか FD-3S!!
中里はステアリングをこじりながらペースを上げていく。ダウンヒルなら確実にタイヤがタレるような走りをする中里だったが、ヒルクライムならもつかもしれないと感じる啓介。立ち上がりで差を広げるR32と、コーナリングで差をつめるFD!まったくキャラの違う2台のバトルだが、うまくかみあって差がひらかない。
闘争心むき出しで攻撃的に攻めるメリハリある走りをする中里と、スムーズな走りで追走する啓介のバトルは続く!
vol.71 キレる男 高橋啓介!!
後輪駆動のFDに乗る啓介は、ただでさえリアタイヤに負担がかかるヒルクライムに加え、R32との加速競争でタイヤが熱ダレをおこさないよう、タイヤのグリップを温存する作戦を立てて走っていた。
そこへ突然の雨!アスファルトにしみこんでいるホコリや油が浮き上がって、滑りやすくなる。
タイミングを見きわめながら、ものすごい集中力で激走する2台。
タイミングを見誤ると一発で崖下へ転落という大きなリスクを追いながらも、お互い一歩も引く気配を見せない!
vol.72 ステアリング インフォメーション
この危険な状況で、先行してペースをつくる中里には、啓介以上に大きなプレッシャーがかかっているのだろう。
追走する啓介は、中里のドライビングから思い切りの良さが消えたことを感じとる。
ゴールまではもう少し。中里はワイパーを作動させ、フロントガラスの雨粒を一掃するが、啓介は雨粒など意にも介さず、コーナーへの進入ラインをにらみつける。そして「行ける!」と確信した啓介は、最終コーナー手前でR32に外から並びかける!FDはオーバースピードで曲がりきれないと感じる中里だが…。
vol.73 見せてくれ 雨のダウンヒル!!
2台が並んだままコーナーへ突入!外側へ並ばれたためアクセルを開けられない中里。FDの外側にも壁があり条件は同じ…と思われたが、FDがドリフトしたまま片方のリアタイヤを歩道に乗り上げ、必死のコーナリング!
立ち上がりでわずかに前に出た啓介の勝利が決まった!
降り出した雨のせいでダウンヒルバトルは中止となったが、ギャラリーは次のバトルを見ようと帰る気配がない。
チャンスとばかりに、レッドサンズのケンタが、自分と秋名のハチロクとのバトルを提案する。
vol.74 不気味なエリア外新勢力!!
自分の乗るS14はノンターボだからハチロクとのパワー差が少なく、純粋に技術の対決になることをアピールするケンタ。ギャラリーに来ていた拓海に対し、少し挑発的にバトルの申し込みをする。"ムッ"ときた拓海はバトルを承諾。
秋名のハチロクがバトルすると聞き、沸き立つギャラリー。
その中に、群馬エリア制圧をもくろむ新たな二人の男の姿があった…。
vol.75 レインバトルの恐怖を知れ!!
バトルついでにそのまま帰るつもりの拓海は、一緒に来たイツキを後部座席に乗せた。なぜ後ろに乗せられたのか意味がわからないイツキは理由をたずねるが、「意味があるような、ないような…」と答える拓海。
雨を好んで練習していたという経験から、雨の走りには絶対の自信を持つケンタ。いっぽう、雨では飛ばせないから普通に走るという、緊張感のない拓海。二人のバトルが幕を開ける!スタートダッシュで前に出たのはケンタのS14だが、ハチロクのスタートには余裕が感じられる。それは決してパワーやテクニックの差ではなかった。
vol.76 絶叫ドライブ つきぬける天才!!
スタート直後は上り区間があるため、パワーのあるS14が有利でハチロクとの差が開く。雨が得意と言うだけあって冴えた走りをするケンタ。一方、後走するハチロクのリアシートでイツキは、雨の夜という最悪のコンディションなのに、信じられないスピードでキレた走りをする拓海を、人間ばなれした化け物だとあらためて痛感していた。
ケンタが下りに突入するころには大きな差が開いていた。しかし、下りに入って数個のコーナーを抜けたところで、ケンタのすぐ後ろにハチロクの姿が!あっけなく追いつかれたケンタは、拓海の恐ろしさを知る!
8巻
vol.77 三つどもえ 戦慄の妙義!!
S14に追いついたと思った瞬間、何のためらいもなく抜きにいくハチロク!コーナーでイン側からあっけなくS14を抜き去り、雨の中でも正確無比なドライビングを見せつける!追い抜かれたケンタは必至にハチロクの後を追うが、コーナーを抜けるたびに差が開く。テクニックの違いにケンタがバトルを諦めかけていたその時!
後ろからエボⅣがケタ違いのスピードでケンタのS14をパスして行った!そのエボⅣはいったい何者!?
vol.78 最強軍団の影
バトルの翌日、ケンタのS14に仕込んでおいたビデオの映像を確認する涼介と啓介。あらためて見ても、ハチロクの速さの秘密が完全に理解できない涼介は、新チームのドライバー候補として拓海を有力視していた。
ハチロクが遠ざかった後にビデオに映し出されたエボⅣ。レッドサンズで仕切っていた交流戦に乱入したうえ、ハデなデモンストレーションを見せつけた正体不明のエボⅣだったが、涼介には大体の察しがついていた。
vol.79 掟やぶりのスーパーウエポン
ハチゴーで秋名山を上るイツキと拓海。後ろからものすごく速い車がハチゴーをパスしていった。
ランエボだ!4WDの立ち上がり加速に二人は驚く。
秋名湖畔でランエボに乗っていた二人に道をたずねられたイツキ。そのランエボが昨夜のエボⅣだと気づき、ハチロクとバトルするために秋名に来たんじゃ…と聞いてみるが、二人に大笑いされる。ランエボ乗りのひとりが拓海たちに向かってこう言った。「ハチロクに乗ってるやつなんかとは、頼まれたってバトルなんかしねぇよ」!
vol.80 ハチロク ターボ化計画パート①
カッ!ときたイツキが、秋名のハチロクはどんな車にも負けなしだと言い返すが、相手がヘタクソだったんだろうとバカにされてしまう。一触即発の雰囲気がただよったが、ランエボ乗りのもうひとりが、ハチロクのドライバーをけなすつもりはないとその場をなだめる。ハイパワーターボプラス4WDを車の基本と考え、ラリー選手権を戦うために開発・熟成されたランエボを操る自分達は、時代遅れのハチロクと性能の格差がある以上、バトルする気はないんだと告げ、去って行った。ハチロクをバカにする奴が許せないイツキは、ハチロクにターボをつけてランエボ野郎を負かそうと提案するが、ハチロクは親父の車だから勝手にいじれないと却下する拓海。
vol.81 宿命のライバル
ランエボ乗りのひとり、須藤京一が一年ぶりに高橋涼介の前に姿を現す。
一年前、涼介に全勝記録を止められたお返しに、今度は自分が涼介の全勝記録を止めに来たのだ。
だが、涼介の全勝記録が秋名のハチロクに止められたことを知り、衝撃を受ける。ランエボだけで構成したチーム・エンペラーをひきいて群馬に乗り込んできた京一は、涼介をしとめる前に秋名のハチロクへと標的を移す!
vol.82 勝率0パーセント!!
ランエボ軍団の影が見え隠れする中、池谷と健二は、ハチロクの戦闘力不足に不安をつのらせていた。軽量コンパクトだけがとりえのハチロクvs軽量コンパクト&ハイパワー4WDのランエボ。拓海のドラテクがどんなにスゴイとはいえ、ランエボのドライバーもヘタではない。マシンの性能差を考えると、どうあがいても勝ち目はないと考える二人だった。
vol.83 エボⅣ出撃
妙義にランエボ軍団が現れ、ナイトキッズ中里(R32)とエンペラー岩城清次(エボⅣ)のヒルクライムバトルが始まっていた!中里は、レッドサンズとの交流戦での負けを引きずっていたため、自らのドライビングに迷いが生じ、リズムの乱れがミスを呼び、エボⅣにじりじりと離されていく。一方、相手の地元という不利な条件の中で先行ポジションをとり、中里をあざわらうかのように引き離す清次。プレッシャーに弱くキレやすい中里は、中速コーナーで痛恨のミス!
コントロール不能となったR32は側壁に激突!エボⅣに乗る清次の勝利が決まる。
vol.84 エンペラーの脅威
次は秋名へ乗り込むという京一。相手が秋名のハチロクと聞いてつまらなそうな清次に対し、エンペラーNo.1である自分が走ろうかと提案する。しかし自信満々の清次は、俺でも十分勝てるから俺にやらせてくれと言う。
文太は、ハチロクのエンジンがオーバーホールの時期ということもあり、パワーアップ計画を内緒で進めていた。
準備はできているのになぜパワーアップさせないのかとたずねる祐一に、文太は、今のハチロクで拓海がやり残していることがあるという。それは"負けること"…。勝ち続けているうちは、パワーアップの本当のありがたみがわからないんだと説明する。文太の考えの奥深さに驚かされる祐一。
vol.85 ハチロク出撃 秋名山でむかえうて!!
ランエボとのバトルに備えて、雑誌のランエボ特集を読むよう拓海にすすめるイツキ。しかし拓海は、相手のクルマに合わせて作戦を考えたりするほど器用じゃないから、自分が知ってる一番速い走り方をするだけと答える。
家に帰り、ひどく汚れているハチロクを洗車し終わったとき、血相を変えて池谷先輩が走って来た!
今夜、やつらが秋名に来る!
vol.86 ハイテクVS.スーパーテクニック
拓海たちの前にエンペラーが姿をあらわした!リーダーの京一がハチロクとのバトルを申し出る。実際に走るのは、エボⅣに乗る清次。京一が清次にアドバイスする。相手が最も手強い時に使う作戦、「シミュレーション3」で行けと。
しかし、ハチロクを甘く見る清次にはその意味が理解できない。そして、いよいよ2台のバトルがスタートを切った!
vol.87 敗北の予感
京一が「シミュレーション3」で行けと清次に指示した理由…。格下相手のバトルは勝って当然という油断が出るから、それを引き締めるためだった。清次は、スタート直後にアクセルを全開にせず、作戦通りハチロクの後ろについて走る。コーナーでがんばりを見せるハチロクだが、しょせんはハチロクとタカをくくる清次。
追走を続けるうち、だんだん清次は、妙なムカつきを感じ始めていた。
9巻
vol.88 清次の怒り
イラつく清次は、勝てば文句ないんだろうと京一のアドバイスを無視し、秋名でいちばん長いストレートでマシンのポテンシャルを生かし、ハチロクの前に出た!そこから全開モードに突入する清次は、高い運転技術が要求される4WDのドリフトでハイスピードのコーナリングを繰り出し、ハチロクを引き離しにかかる!もうハチロクはついてこれないとタカをくくっていた清次だが、バックミラーにうつるハチロクとの距離が全く広がらないことに焦りを感じる。
vol.89 剛腕清次 電光ステアリング
清次は、ハチロクの後ろを走っていたときにムカついていた理由を悟った。腕っぷしが自慢の清次は、ステアリング操作の的確さとスピードが要求される4WD を乗りこなしていたが、コーナリングスピードではハチロクに劣っているのだ。そして、もうひとつの振りきれない理由は、直線が短くパワーの差が出にくい区間だったこと。
ここから先のテクニカルな中速コーナーがつづく区間で、いよいよ清次はハチロクとの差を広げにいく!
vol.90 低速コーナーの落とし穴
ハイスピードセクションで確実にハチロクとの差を広げる清次。そして、その差を保ったまま、純粋にクルマとドライバーの総合力が試される5連ヘアピンへ。大きく遅れをとった拓海は、必殺技の溝落としを繰り出し、異常な速さでコーナーをクリアし差を詰めにいく!5連ヘアピンの入り口付近でハチロクに大きく差を広げ、追いつかれることなどないと安心していた清次が、バックミラーに目をやる…。と、そこには差を縮めてくるハチロクの姿が!
vol.91 必殺ミゾ落としパート2!!
清次は、自分のテクとエボⅣのパワーを持ってしても、振り切ることのできないハチロクに屈辱を感じる。
バトルも終盤をむかえようとしていた時、フロントタイヤのくいつきが甘くなり集中力を乱す清次。しかし、清次は圧倒的に有利な立場にいる自分に気づき、抜かれなければいいんだと落ち着きを取り戻す。清次がでかいミスでもしなければ、拓海に勝ち目がないと思われたが、拓海はここで奥の手"必殺溝落としパート ②"を使うことを決心する!
vol.92 奇跡のショータイム!!
タイヤのくいつきが悪くなったエボⅣに、コーナーで差を詰めるハチロク。そして、タイミングを合わせて立ち上がり重視の溝落としパート②を敢行!信じられないスピードでコーナーを立ち上がったハチロクが、油断していたエボⅣのイン側へと滑り込む!そして、2台が並んだままコーナーへ突入!イン側のハチロクが絶対有利…!
vol.93 赤城山決戦
外側で苦しいラインの清次が、ハチロクのアタマを押さえようと必至にステアリングを切り込むが、フロントタイヤは熱ダレのため、悲鳴をあげて本人の意志にさからう!そして、ハチロクが前に出た後、ゴールまでエボⅣが抜き返すチャンスはなく、ハチロクの勝利が決まった!作戦を無視し、勝手な行動をとった上にぶざまな負け方をした清次に対し、京一の怒りが爆発。だが、一敗を悔やんでも仕方ないと、次は赤城へのりこむことに。
翌日、イツキに「自分でも気持ちいいだろ」と聞かれ、拓海が答える。「うれしくないよ…気分的にはオレは負けだよ」
そしてこう宣言する。「もう秋名じゃバトルしない」と…。
vol.94 なつきちゃん ギャラリーに行く
街を歩く拓海となつきは、おなじサッカー部だった塚本先輩に偶然出会う。塚本は赤城のチームに入り、走り屋をやっているらしく、180SXに乗っていた。赤城のチームと聞いて、拓海はレッドサンズかと思ったが、塚本先輩が言うには、レッドサンズは高嶺の花、自分の腕では入れてもらえないチームらしい。拓海も走り屋に興味があるとにらんだ塚本は、赤城へギャラリーに連れてってやると拓海を誘う。すると以外にもなつきの方が興味津々。
拓海となつきは、塚本先輩の180SXで赤城へ向かった。
vol.95 拓海くん 運転かわって!!
峠に入り、塚本がいいところを見せようとヒール&トゥ!しかし、回転が合わず失敗。コーナーを攻めるも危なっかしく、なつきは後部座席で車酔い…。赤城に到着し、気分転換に歩き出したなつきは、ふらついて他人の車に腕時計をぶつけてしまう。幸いキズはつかなかったが、持ち主の彼女にイチャモンをつけられ、最悪な気分になるなつきだった。
塚本先輩の運転に懲りたなつきは、うまく塚本先輩に頼み込み、帰りの運転を拓海と代わってもらうことに成功。
拓海の運転する180SXを一台の速い車が追い越していった。S13…さっきのカップルだ!
あの女をギャフンといわせないと気がすまないなつきは、突然叫んだ!「拓海くん!あのクルマ追って!!」
vol.96 悶絶 塚本先輩
さっきのS13は赤城の常連ですごくうまい奴だから、やめておけと必死に止める塚本先輩。しかし、拓海は「怖くなったら言えよ」と、なつきのお願いを聞き入れ、S13の追走を開始!拓海のことを、免許とりたての初心者だと思っていた塚本先輩は、あまりの超絶ドライビングに度肝を抜かれる!あっという間に S13に追いつく拓海。3人も乗っていてはブレーキが長くはもたないという判断から、一気に超ヤバブレーキングで勝負を決めに行く!S13のドライバーは予想外の事態に対処できず、ターンインに失敗。痛恨のアンダーを出す!勝敗は、一瞬にして決した!!
vol.97 須藤京一の秘密兵器
イツキがすごい情報をキャッチ!エンペラーが赤城でレッドサンズとバトルする!
その頃いろは坂では、WRCで左足ブレーキが使われなくなった理由について、京一と清次が話していた。
ターボエンジンの宿命的な欠点であるターボラグ。それを完全に消し去ってくれる、ミスファイアリングシステム。このシステムを搭載することによりターボラグがなくなり、左足ブレーキが使われなくなったと説明する京一。そして、そのミスファイアリングシステムを搭載している京一のエボⅢ…。これこそが涼介を倒すための秘密兵器だと断言する!
vol.98 好きになった男の子
ある夜、なつきはいつものように男性とホテルへ来ていた。そして、「もうパパとホテル来るのやめようと思う…」と自分の意志を伝える。パパのことは好きだから、好きな人とホテルに行くのは普通だと思ってたけど、エッチしてお金もらってるなんて援助交際と同じだよね…と。そして告白する。「好きな人ができた…」。
突然の別れ話にパパは、「車の中で話すだけでいいから、最後にもう一度だけデートして欲しい」となつきに頼む。
その頃、拓海に謎の電話が…。正体不明の女が言った。「茂木なつきは中年男とセックスしてお金もらってるよ」!
10巻
vol.99 ふくれていく疑惑
電話のことは信用していないが、なぜそんなことをわざわざ言ってくるのかがひっかかる拓海。
次の日、バイト先にエンペラーの須藤京一が現れ、赤城山へ来て俺とバトルしろと拓海に告げる。時代遅れのハチロクに乗っている限り、あっけない勝負になるだろうが、その短いせり合いの中で何かを見つけてみろと言うのだ。
池谷先輩やイツキは「不利な材料ばかりをそろえたバトルでリベンジしたいだけだ」と拓海を止めるが、拓海自身も、交流戦で盛り上がっている赤城にしゃしゃり出るつもりはなかった。
vol.100 衝撃の目撃 赤城へ!!
拓海が家に帰ると、また正体不明の女から電話が。私の言ってることがウソかどうか自分の目で確かめてみてと、泣いているような声で伝える。「前橋インターの○○っていうラブホテルに行ってみなさいよ。そこから黒のベンツに乗って出てくるはずだから…。」とっぴょうしもない話だが、具体的な内容で妙に真実味があるため、だまされたと思ってその場所へ向かう拓海。現場へ到着したが、こんなところに茂木が来るはずがないと、ふと我に返る。
拓海が帰ろうとしたとき、黒のベンツがホテルから出てきた!まさかと思ったが、助手席には茂木の姿が!
信じられない光景を見て頭に血が上った拓海は、怒りにまかせて赤城山へ向かった!!
vol.101 玉砕上等 火の玉バトル
その頃京一は、拓海が挑発にのって赤城にやってこないかと待ちわびていた。明日涼介を負かしてしまえば、群馬に用はなくなるが、秋名での一敗をそのままにしておくのも寝覚めが悪い。ウォーミングアップ代わりにハチロクをけちらして、スッキリした気分でメインイベントをむかえたいと意気込む京一。そこへすさまじい形相の拓海が来た!
京一は待ってましたとばかりに出むかえ、こう言った。「これはバトルだとは思っちゃいない、セミナーだ」。
楽しく走るための車と速く走るための車の違いを教えてやるというのだ!
vol.102 壮絶 赤城おろし!!
ハチロク対エボⅢの戦いが本当に始まってしまった!エンペラーの清次は、これだけ不利な条件がそろったバトルに飛び込んでくる拓海が、全く理解できない。同時に、将来とんでもなく大物になる奴かもしれないと感じる。
拓海が先行、京一が後追いでスタート!2台が涼介のギャラリーしているコーナーにさしかかる。
このバトルを涼介への挑戦状と考えている京一は、わざとはらんだコーナリングで涼介の目の前スレスレをかすめるように走り抜けていく!そして涼介も、京一のエボⅢをしっかりとにらんでいた。
vol.103 さえわたる京一のテクニック
ハチロクが、茂みに埋もれて見えないガードレールすれすれのコーナリングを見せる!
地元でもあそこまで攻め込めないとギャラリーが沸き立つ。しかし、エボⅢがコーナーでハチロクに差をつめていく!
京一について涼介が語る。勝つためには、えげつないぐらい合理的な作戦をとり、腕が互角なら確実に有利なマシンを用意してバトルに挑む奴だと。しかもテクニックはジムカーナ仕込みで、低速コーナーの処理が抜群にうまい。
さらに、WRCのラリーカーと同様のミスファイアリングシステムは、峠を攻めるターボカーのチューニングとしては現在考えられる最強のシステムだ。いまの京一は、涼介にとっても手強い相手である。
ほとんどコースを知らないはずなのに驚異的なスピードで逃げる拓海の峠センスに、京一は驚いていた。
しかし、余裕の京一はいよいよハチロクを仕留めにかかる!
vol.104 泣け!!オレの4A-G
勾配がゆるい中速セクションにさしかかる。重力の恩恵を受けられず、ドンガメと化したハチロクを京一が狙う!
そしてS字コーナーでカウンターアタックをしかける!わずか1秒の全開区間で怒涛の加速を見せ、大外からかぶせてコーナーへ進入するエボⅢ。ハチロクにコーナー勝負を挑む!一瞬無謀に思われたが、エボⅢはハチロクよりも速いコーナリングでアウト側に並びかけた!立ち上がりで強烈な加速を見せ、さらにS字の出口ではインとアウトが逆転!
エボⅢがハチロクを抜いた!
vol.105 抵抗(レジスタンス)
京一のバックミラーに、以外にも一定感覚でついてくるハチロクの姿が…!
抜かれてからペースを上げてきているハチロクに驚く京一は、ハチロクを引き離す作戦を考える。
選択肢は2つ、タイヤの負担覚悟でペースを上げるか、直線区間まで待ってイージーにパワーで振り切るかだ。
京一の答えは、すでに決まっていた。ペースを変えずにタイヤを温存し、直線で一気に勝負を決める!
vol.106 破滅へのカウントダウン
赤城道路の中間セクションは、S字コーナーの連続でコーナー間の全開区間はほとんどない。
京一は、ミスファイアリングシステムの恩恵を受け、立ち上がり加速でハチロクを引き離す。対する拓海は、ハチロクの唯一の利点である軽量をたよりに、ギリギリのレイトブレーキングでコーナーへ突入し、4つのタイヤのグリップのありったけを注ぎこんで、コーナリングスピードに変えていく!膨大な量の走りこみで、自分の体の一部のようになじんだハチロクでなければ実現できない、奇跡的なパフォーマンス!命がけのコーナリングでタイムを削りとる拓海に対し、京一は余裕のドライビング。だらだらS字セクションも終わりに近づき、いよいよ京一が全開ドライブへ!
vol.107 さよなら大好きなハチロク
京一がフェイントモーションからのアグレッシブなドリフトを繰り出す!これは、勝負を決めに出た京一の意思表示であった。長くはないストレートだが、狂ったような加速でハチロクをぐんぐん引き離すエボⅢ!
後走する拓海の意識を絶望感が支配した…その直後!ハチロクのエンジンルームから大きな異音が!
コントロール不能のまま半回転し、道路わきに運よく停止したハチロク。エンジンルームからは白煙がたちのぼる…。
ぼうぜんと立ちつくす拓海に、戻ってきた京一が言った。「レースの世界ならエンジンブローは負けだが、これはバトルじゃないからな…わかっただろう、そのクルマはもう寿命だぜ」…。
vol.108 再起不能
拓海は、動かなくなったハチロクのシートに座り、絶望的なまでの自責の念にかられていた。そこへキャリアカーに乗った文太が現れる!壊れたハチロクをキャリアカーに乗せ、家路をたどる。愛着のあるハチロクを直したい拓海は、バイトで貯めた金を使ってくれと言うが、文太は、「直すのは無理だ、エンジンを載せかえるしかない」と断言。
うなだれ、涙を流す拓海に文太が声をかける。「お前のせいじゃない。たまたまお前が運転してただけだ」…。
翌朝、一睡もせずに朝をむかえた拓海は、家族の一員を亡くしたような気分だった。
vol.109 混迷
今日は、赤城レッドサンズとエンペラーの交流戦。ハチロクに乗ってギャラリーに行こうとイツキに誘われるが、落ち込んでいる拓海は、事情を告げずに断わる。ハチロクが壊れたことを知らないイツキは、困惑するばかり。
その頃、拓海のバイト先にも、ハチロクがエンジンブローで負けたという噂が広まっていた。
そこへ突然、高橋啓介が現れた!拓海が休みと知り池谷に伝言を頼む。「あんなおかしなバトルはバトルじゃない。オレは藤原が負けたとは思っちゃいない。それともうひとつ…今日の交流戦でカタキは必ずとってやる」。
vol.110 因縁の対決 再び!!
昨日の出来事を知ったイツキが、交流戦を見に行くのをやめ、拓海を誘って秋名へ走りに行くことに。
啓介からの伝言を拓海に伝える。だが、「手も足も出なかったし、秋名でやっても勝てなかったよ…」と言う拓海。
その頃、池谷と健二は交流戦を見物するため赤城へと向かっていた。すると、1台のクルマが後ろに張りついた。
スピードを上げる健二だが、速そうなので先に行かせる。抜いていったクルマは、ハチロクのレビン!しかもターボつきだ!のぼりにもかかわらず、2リッターターボの180SXを止まってるかのようにおいて行ってしまった!
群馬エリアでは見たこともないモンスターハチロクに、池谷達は度肝を抜かれる!
11巻
vol.111 白と黒の閃光
怒りにまかせた走りをしたために、親父が大切にしていたハチロクを壊してしまったことを、拓海は悔やんでいた…。
赤城では、いよいよ涼介と京一のバトルが始まる。スタートダッシュは4WDが俄然有利なため、ランエボ先行でFCが後追いになることが確実と予想されたが、第一コーナーから飛び出してきた2台を見たギャラリーは驚きの歓声を上げる!FCが地元でもめったに見れないキレた走りをみせながら、先行ポジションで駆け抜けていったのだ!
vol.112 見えないかけひき
健二の180SXを追い抜いていったハチロク乗りは、2台のスタートダッシュから1コーナーへの突っ込みを見て、微妙なかけ引きを感じていた。ダッシュで飛び出したランサーがコーナーへ突っ込む直前、あえて引いたように見えたからだ。後追いを選んだのには何らかの意図があるとにらんだ、謎のハチロク乗り。
涼介とのバトルは1年ぶりの京一。怒涛の走りを見せる涼介を追走しながら、"勝てる!"と確信する。
しかし、前走する涼介の最速ラインは、ジムカーナで鍛えた京一の目にも、はっきりとわかる完璧なものだった。
vol.113 悪夢のデジャヴー
京一はFCを追走しながら、1年前のことを思い返していた。絶対的な速さを追求するモータースポーツ仕込みのテクニックが、ストリートの幼稚なテクニックに負けるわけがないというのが京一の信念。だが涼介にこう言われた。
「峠には峠のテクニックがあり、ジムカーナやサーキットで身につけたテクニックだけでは、峠は極められない。自論の優位性を立証したければオレに勝ってみろ」涼介に返す言葉もなく、ただ悔しさだけが込み上げたのだった。
そして、1年前の議論に決着をつけるべく、京一が勝負をかける。1年間の走りこみの成果を見せつけてやる!
vol.114 カリスマ崩壊
ミスファイアリングシステムと4WDの真価を見せつけるべく、FCのアウトサイドから一気に並びかける京一。
次のコーナーではインとアウトが逆転!京一がしかけたカウンターアタックに涼介のFCがあっけなく抜かれた!
ランエボの戦闘力の高さに、加速競争では手も足もでないと感じる涼介。
そのころ秋名湖畔で、拓海はバトルで負けたときの出来事をイツキに話していた。
もっといい車に乗り換えたらまたバトルしてやると、まるで生徒に諭すように京一に言われ、プライドが傷ついたと…。
そして某所では、壊れたハチロクのエンジンの載せかえがいよいよ始まろうとしていた。
vol.115 恐怖の突破口をつけ!!
あっけなく抜かれた涼介は、激速のランエボに離されまいとガードレールにノーズをこすりながらコーナーの最短距離を抜けていく!終始FCがランエボを追い続ける展開となるが、涼介は前走するランエボの走りを見て、うすうす気づいていた、あることを確信する。
涼介が何も仕掛けてこないことに疑問を感じる京一。
しかしあの涼介に限って、このまま終わることはありえないと、プレッシャーを感じていた。ゴールが近づいてくる。
涼介はランエボが時おり見せる小さな突破口をつくべく、のるかそるかのワンチャンスに全神経を注ぎ込んでいた!
vol.116 明暗!!
土壇場での一発勝負に備えてタイヤを温存していた涼介は、高速コーナーで京一の唯一の弱点を狙う!
その弱点とは、右コーナーへの恐怖心が捨て切れていないこと。はっきり言えば右コーナーがへたくそなのだ!
右コーナー進入前の立ち上がりで差をつめる涼介。神がかりのスピードで、アウト側からランエボの鼻っつらを押さえ込むように右コーナーへ突っ込んでいく!アウト側のラインをふさがれ、アクセルが踏み込めない京一は、4WDのトラクションとミスファイアリングシステムの真価を発揮できない。2台が横並びでコーナーを立ち上がるが、次の左コーナーはイン側の涼介が有利!最後の最後にFCがランエボを抜き返し、勝敗が決着した!
vol.117 走り始める新たな伝説
京一の敗因を涼介がこう語る。公道でセンターラインの右側といえば、本来対向車が通る道。右コーナーのインを攻めるということは、対向車がいつ飛び出してくるかわからないという不安がつきまとう。対向車の処理が不要なモータースポーツで走りを鍛えた京一だけに、その不安がぬぐい切れていないのだと…。そして、京一のホームコースであるいろは坂も一方通行だからだ!理由を聞かされ、涼介との実力の違いを再認識し、深い敗北感に包まれる京一。
数日後… エンジンが壊れて動かないはずのハチロクを、池谷が秋名で見たという。しかし拓海は、ハチロクがもう直ったとは聞いていない。そのころ秋名では、あやしいオヤジがあやしいクルマで突っ走っていた!
vol.118 そのクルマ 凶暴につき
文太は、新しいエンジンを載せたハチロクのセッティングを決めるため、秋名でテスト走行していた。
車を降りた文太がおもむろにズボンの裾をめくり上げると、すねの外側に血が出るほどのすり傷が!コーナーを攻めるときの横Gに耐えるため、すねを壁にこすりつけて体を支えていたのだ!新エンジン搭載により、とんでもないパワーアップを果たしたハチロクは、「峠レベルのヨコGにバケットシートなんかいらない」という文太の美学もくつがえした。
翌日。なつきは、拓海のよそよそしい態度が気になり声をかける。なぜ避けるのか問い詰めると、拓海は、「ベンツの彼氏と仲よくやれよ」と言い残して去った!拓海に秘密がバレてしまったことにショックを受けるなつき。
vol.119 ファーストコンタクト
AM4:30。拓海が起きると、いつもと違うアイドリング音が聞こえる。そこには、みごとに復活を遂げたハチロクの姿!
文太は「このハチロクは拓海の金で修理したから、これからは半分おまえのもんだ」と言う。
さっそく運転席に乗り込んでみて、妙な違和感を覚える拓海。
秋名のダウンヒルを攻め込んでみるが、まったく思うように走れない。乗りにくいのだ!
スタンドで池谷先輩に新エンジンのことを聞かれた拓海は、率直に感想を述べた。「前のエンジンより遅いんじゃないかな…馬力ないんですよ」。エンジンの素性を知る店長の祐一は、予想外の言葉に肩すかしをくらう。
vol.120 紅葉の季節に春が来る?
たまたま道端に止まっていたターボチューンのハチロクがうらやましくて、見入っていたイツキ。
すると持ち主らしき女の子が現れる。イタズラしようとしてたんじゃないかと言いがかりをつけられ、カッとなったイツキは「ただ見ていただけだ!」と言い残してその場を去った。
夕方、偶然その女の子にまた出会うイツキ。露店で10円足りなくて困っていた彼女に、そっと10円を差し出してあげた。すると彼女は、昼間のことをあやまり、本当はハチロクに興味を持ってるくれる人がいてうれしかったんだと打ち明けた。友達になってね、と言う彼女の名前は秋山和美。衝撃的な出会いにイツキは突然恋に落ちていく…。
vol.121 最強のハチロクレビン!!
朝の配達を終えた拓海は、うまく操れないハチロクを何とか自分のものにしようと、秋名山をのぼったり下ったり…。
ハチロクが今の状態のままでは、うまく走れないことを承知の文太は、セッティングに文句をつけずテクニックで何とかしてやろうという拓海の意気込みに満足げ。
借りていた10円を返すため、イツキのバイト先に和美が来た。仕事が終わったらどこかで会おうということになり、自慢のハチゴーで和美を迎えに行くイツキ。和美は、自分の兄と同じレビンに乗っているイツキを見てビックリする。
12巻
vol.122 最強のハチロクレビン!!(本当の後編)
和美の兄が乗っているハチロクターボの話や、お互いの夢の話で盛り上がった後、ラーメンを食べて帰ってきたイツキ。でも、胸いっぱいでラーメンの味もわからないほど、和美のことばかり考えていた。
一方、埼玉では…地元で敵なしと言われる和美の兄、秋山 渉(わたる)が、ハチロクターボを全開でフッ飛ばせる競争相手を探していた。がむしゃらに走り続けるうちに、追いかけるターゲットがなくなったのだ。
しかし、妹が働きに出ている群馬には、渉の探している何かがあると確信していた!
vol.123 啓介VS.渉!?
先日のランエボとのバトルを見て以来、高橋兄弟に目をつけていた渉。赤城山を訪れると、偶然にもお目当ての啓介の姿が!さっそくバトルを申し込むが、地元では勝負しないときっぱり断られる。ハチロクだから見下しているのかと問う渉に啓介が答えた。「俺たちはハチロク乗りを甘く見ていない…このエリアには下り専門のすごいハチロクがいるからだ」。そのハチロクはどんなクルマにも負けたことがないと聞き、あぜんとする渉。
スタンドに来た文太が祐一にこう話す。拓海が毎朝ガンガン走りこみをしているが、前と同じレベルにコントロールするのは絶対不可能。なぜなら、今のハチロクには、ある"もの"をつけていないからだと…。
vol.124 FD危機一髪!!
バトルをあきらめきれない渉は、峠を降りてくる啓介を待ち伏せして、無理やりバトルに持ち込むべく追走を始めた!
そこまでからんでくるなら実力の差を思い知らせてやる、とアクセルを踏み込む啓介!
しかし、コーナーの立ち上がりでついてくるハチロクの馬力に驚かされる。こいつはかなりの腕だと確信した啓介が、ヤバいゾーンに突っ込もうとしたその時!2台の進路を完全にさえぎるように停止した事故車が現れた!万事休す!
vol.125 初恋のゆくえ?
完全にアウトかと思われたが、間一髪!華麗なハンドリングで事故車を避け、2台は難を逃れた。
このバトルはいつか仕切りなおそうと言い残し、去っていく渉。
数日後、渉と和美は、イツキがバイトしているガソリンスタンドで給油する。兄にイツキを紹介する和美。
渉は、「群馬エリアにすごいハチロクがいるって聞いたんだけど…」とイツキにたずねる。
vol.126 板ばさみ
イツキは、その車なら自分の友達のことだと告げる。驚いた渉は、同じハチロク乗りとして一度会って話してみたい、紹介してくれと頼んだ。渉に気に入られたいイツキは快諾、さっそく拓海に電話する。
今のハチロクに不満な拓海は気が進まないが、バトルは絶対しないという約束で渋々会うことに。
そして夕方、秋名で拓海・イツキ・渉・和美が顔を会わせた。積み替えたばかりのエンジンが、馬力はあるけど扱いにくくて、遅いエンジンだと話す拓海とイツキ。渉は、どんなエンジンなのか気になりボンネットを開ける。
すると、渉の態度が一変!このエンジンが遅いわけがない、人をおちょくるなと激怒!
vol.127 反発
なぜなら、そのエンジンはレース用のエンジンだったからだ!速いなら速いと言えばいいのに、2人して口裏を合わせるように遅い車だと嘘をつかれたのが許せない渉。エンジンの正体を知らない拓海は、「嘘なんかついてない」と言い返す。拓海がキレる!と思った瞬間… 和美が渉にビンタ!「せっかくイツキ君が親切で友達つれて来てくれてるのに…二度と群馬には来ないで!」と妹に言われてしまい、その場を去る渉。
拓海も、イツキと和美を残し帰ることにしたが、帰り道で停車していた渉のハチロクを見て車を止める。
渉にどうしても聞きたいことがあったからだ…「このエンジンが本当にすごいのかどうかハッキリさせたい!」
vol.128 封印からの開放
「本当にいいエンジンなら、なぜパワーが出てないのか知りたい。」車の持ち主がそんなことを知らないなんてと言う渉に、おやじが勝手に載せかえたからわからないんだと説明する拓海。メカ音痴な拓海に話しても無理だと感じた渉は、手っ取り早く性能を知るため、自分を隣に乗せて全開で走ってもらうことに。
助手席から拓海のドライビングを観察するうち、あることに気づく。レブリミット付近では、かなりパワーが出ているにもかかわらず、シフトアップによるエンジン回転の落ち込みでパワーバンドから外れ、加速がもたつくのだ。
渉は確信を持って拓海に告げる。「バカバカしいぐらい単純なことだ…パワーの出ない理由は、それだ!」
vol.129 宣戦布告
渉が指差したのは、回転計だった!7千回転強までしかスケールの無いノーマルのタコメーターでは、上限が足りないというのだ。渉の推測では、このエンジンは楽に1万回転以上は回る超高回転型ユニット。足回り、ブレーキ、ボディもしっかりチューニングされている。しかしタコメーター、水温計、油圧計だけが装備されていない。
考えられる答えはひとつ…「恐ろしくクルマを熟知した人間が、意図的にパワーを封印しているのさ!」
渉は今までハチロク乗りに敵意を持ったことがなかったが、神業のような運転技術を持ちながら全く知識のない拓海に、強いライバル心を抱く。「走り屋として大事なものが抜けている」と渉に言われ、拓海はわけがわからない。
vol.130 胸さわぎの夜
イツキのバイト先に突然和美が現れる。和美のことばかり気になっていたイツキは、なりふりかまわずバイトを早退し、和美とハチゴーで秋名へ。和美は昨夜のことを謝り、胸のうちを話しはじめる。
小さい頃からアニキにべったりで自立心が無く、現実逃避的に生きてきたけど、最近はアニキから突き放され、自分の夢は自分で見つけなきゃと感じ始めていると…。そして、こんな内心を話せるイツキと仲良くなれて良かったと…。
夜になり、イツキが送っていこうとすると、和美は「昼間、勤め先の旅館で嫌なことがあったから帰りたくない」と言う!
vol.131 二人だけの約束
イツキは、旅館へ送るのをやめて2人きりの時間を過ごした。和美はバイトをやめるつもりだったが、イツキとの会話の中で自分なりに目標を決めたらしく、朝になったら旅館へ戻り、がんばって仕事をつづけると約束した。
その頃、渉から拓海に電話が!「和美が仕事中にフラッと出て行ったまま、夜遊びしているらしい…明日連れ戻しに行く」と言う渉。和美がイツキと会っていたことを知る拓海はあせる。
しかし本題は妹のことではなく、拓海へのバトルの申込みだった!しかも、明日までにエンジンのポテンシャルを引き出せるようにしておいてくれと注文!拓海はタコメーターをつけかえる決意をし、池谷に手伝ってもらうことに…。
vol.132 激突の朝
メーターをつけかえるぐらい簡単なことだが、親の車を断りなくいじってもいいのかと尋ねる池谷。正攻法で親父を説得できないとわかっている拓海は、勝手にやると決断。他ならぬ拓海の頼みということもあり、池谷は快くOK。
しかし今日中に手に入るメーターが見つからず、困った池谷は店長に相談する。もしやと思った店長が、自動車屋の政志に連絡すると…予想は的中!ハチロク用のメーター類なら、すでに文太に頼まれ用意してあるというのだ!
さっそく池谷のサポートの下、タコメーターをつけかえた拓海。しかし、もうひとつ重要な仕事が残されていた。
vol.133 ターボVS.レーシングチューン
それは、使える回転の上限を親父から聞き出しておくこと!これを聞かないと全開バトルは無理だと助言する池谷。
拓海は、勝手にタコメーターをつけかえたことを思い切って文太に告げ、どこまで回転を上げていいかたずねる。
文太は怒るでもなくしばらく沈黙…だが立ち去る間際に言い放つ。「1万1千回転までキッチリ回せ」!
そのころ渉は、和美を連れ戻しに群馬に来ていた。昨日の行動は反省しているけど、うしろめたいことはないから帰らないと言う和美。だが、両親と話し合えと渉に説得され、しぶしぶ埼玉へ帰ることに…。
拓海は、イツキを助手席に乗せバトルへ向かう。渋川インターで渉と落ち合い、向かった先は…なんと埼玉だった!
13巻
vol.134 彩の国 埼玉(意味不明)
「もし俺達の車がバトルから戻れないような事態になっても、朝になればバスや電車で移動できるだろ」そう言って渉は、助手席に乗っていた和美を駅前で降ろした。これからバトルする峠は、道幅が極端に狭く見通しも悪い上、舗装が波打っててスリップしやすい最悪のコンディション。いかに危険で難しく、タフさが要求されるところかを拓海に伝える渉。危険を感じた和美はバトルを止めようとするが、渉は聞く耳を持たない。
拓海もイツキを駅前に残して、スタート地点へ。ルールは、先行後追い・ちぎれば勝ちの時間無制限デスマッチ!
1本目は渉が先行で、このコースを初めて走る拓海を引っぱる。本番開始は2本目からだ!
vol.135 ふりまわせ ドッカンターボ
渉のレビンはターボチューンで、250馬力をしぼり出す。しかし、アクセルを全開にした瞬間、その操作性はまさにハチャメチャ状態!ターボラグが大きく、ターボの効きはじめが唐突にやってくるのだ。一般的には嫌われるドッカンターボだが、渉にとっては、ツボにはまったときの暴力的な加速フィールがたまらなく快感なのだ。
そんなレビンを追走する拓海は、トリッキーなコースと渉の変則ドライブ、そして初めて体験する高回転型エンジンのすさまじさに翻弄され、ついていくのがやっと。だが、拓海は渉がまだ本気でないことを直感的に感じとっていた。
vol.136 覚醒の予感
和美と一緒に駅前で待つイツキの胸中は複雑。バトル相手は大好きな和美ちゃんの兄…。渉が負けて和美ちゃんが悲しむ顔は見たくない…。イツキはいつものようには拓海を応援できないでいた。
マシンコントロールが乱れ、S字の切り返しでふくらんでしまいクリップにつけない拓海。さらに、相手に遊ばれているという意識が、あせりに拍車をかける。そこへ突然現れたのは、土砂崩れで道幅が異常に狭まっている光景!
本能的に土砂をかわし難を逃れたが、予期せぬ出来事が次々に襲いかかり、1本目から緊迫状態の拓海。
なんとか1本目でちぎられずに済み、バトルは2本目に突入!余裕の後追いを決め込む渉。
だが2本目スタート後、先行して走る拓海の心理にひとつの変化が…。
vol.137 封印が解かれる瞬間
道の両脇は滑りやすく、見た目以上に狭い幅しか使えない。こんなコースで無理をしても、レビンをちぎることは出来ない。次に後追いになった時、渉について行けるかどうか…。最悪の状況で、拓海が開き直りにも似た境地に達したその時!それまで見えなかった何かに気づき始める。エンジンの回転を上げ本来の馬力を出さなければ、思い通りのコントロールが出来ないセッティングのハチロクに、無意識に順応し始めたのだ。エンジンを載せ替えて以来、初めて乗りやすいと感じる拓海。ポジションを入れかえたため、目前からレビンの姿が消えていることも幸いした。
いつしか拓海の意識は、背中にはりつく渉の存在を忘れたかのように、マシンとの対話モードに切りかわっていく。
マシンの挙動に全神経を集中させ、迫り来るコーナーに挑んでいく!
vol.138 苛酷な消耗戦
拓海のトレノと渉のレビンは、基本的には同一の車だが、それぞれのチューニングアプローチが異なるため、全く性格の違う車に生まれ変わっている。拓海のトレノは、タービンなどの過給器を使わないメカチューンで、アクセルレスポンスがよく、突っ込みに強い。対する渉のレビンは、パワーをかせぎ出すのに有利なターボチューンで、鋭い立ち上がり加速が魅力。しかし、アクセルをゆるめ一度過給圧を落ち込ませてしまうと、もう一度立ち上がらせるまでのタイムラグが大きく、かったるい。渉は、そのためアクセルをゆるめることなく、挙動を乱そうとするマシンをカウンターだけでおさえこむ!フラフラと車体をゆらす渉の走りは、クセのある車を乗りこなすために自己流で身につけたテクニックだ。
全くタイプの違う2台のハチロクは、ものの見事にかみあって、バトルは消耗戦の様相を呈していく。
vol.139 戦闘力低下!!
3本目に突入!渉を追走する拓海は、1本目とは明らかに違う渉の攻めの走りを見せつけられ、あらためてその凄さを実感していた。とてつもなく速い走りについて行くのが精一杯で、余裕のかけらすらない拓海だったが、同じハチロクが相手だからか、ここまで来たら負けたくないと強い闘志を湧き上がらせる。
しかし、次の瞬間!ほんの少しラインを外した拓海のハチロクが、道路脇の凹凸に乗っかり、片方の車輪が浮き上がった!一瞬コントロール不能になるも、間一髪!なんとか体制をたてなおし、ぶつけずにすんだ。
拓海は、疲れてきたせいでラインがぶれるのかと思ったが、これはタイヤのせいだと気づく!
vol.140 馬力(パワー)の代償
明らかに後輪のふんばりが甘い。拓海は、リアタイヤのグリップが落ちてきているんだと確信する。これまで一本勝負の短期決戦で勝負を決めてきた拓海は、タイヤの負担をコントロールするようなシチュエーションを体験したことがない。消耗戦は、さらなる未体験ゾーンに突入!もうダメかもしれないと弱気になる拓海。しかし、かなりペースが落ちているはずのに、なぜか差は広がらない。拓海は、ここでようやく気づく。むこうの車もタイヤがズルってるんだ!
4本目に突入した2台は、壮絶なカニ走りの競演と化していた。止めたくても止まらないタイヤなら、逆に流してコントロールする。それは拓海が最も得意とする領域だ。天才が目覚め始めようとしていた!
vol.141 形勢逆転
条件が悪くなればなるほど拓海の走りは冴えていく。グリップが低下し滑りやすい状況になっていることが、逆に限界領域でのマシンの挙動を理解しやすくさせていた。2本目で発見したハンドリングのコツを4本目で急激にマスターし始めた拓海。エンジンを積みかえてからずっと感じていた違和感は消え、同時に忘れていた感覚を思い出す。
下りに入ると過激さは倍増!一見ハチャメチャに見えるドリフトだが、走行ラインはどんどん正確になる。
まるで神ワザだ!追走する渉はトリハダを立てる!
vol.142 ファイナルラウンド
折り返し地点に到達し、5本目に突入!渉は、白っぽくなってきた頭で冷静に分析する。経験上、この展開になれば先行より後追いの方が精神的にきつい。追い抜きが不可能なコースだけに、負けるときは後ろを走っていてちぎられるパターンしかない。つまり前を走っている時は負けない!先行だから、いくらかラクできるな…と息をつく渉。拓海のタフさには舌をまくが、渉もスタミナなら負けない自信がある。拓海がミスするまで、何本でも持ちこたえてみせる!
vol.143 予期せぬ幕切れ!!
渉がガソリンメーターにふと気づく。ずいぶんガソリンが減っている。5本目を終えたところでバトルを一時中断し、給油に向かえば、そこでひと息つけるな… と思ったその時!拓海のハチロクが、狭いコースをめいっぱいふさぐように渉のハチロクに並びかけてきた!追い越しは絶対ないという前提で守りに入っていた渉の一瞬の気のゆるみを見逃すことなく、最後まで攻めの姿勢を貫いた拓海!果てしなく続くかと思われた消耗戦は、拓海の勝利で幕を閉じた!
その頃、駅前のベンチで沈黙のままだったイツキと和美。重苦しい空気がただよう中、和美が突然口を開く。
「あたし決めたの…もう群馬には戻らないと思う…。イツキくんとも今日でお別れになっちゃう…。」
vol.144 決心
「バイトでなくちゃんとした仕事につきたいと思ったのと、小さな目標を見つけたから、埼玉に帰る」という和美。
突然の別れを詫びる和美に、イツキが勇気をふりしぼり胸の内を打ち明けようとしたその時、バトルを終えた拓海と渉が戻ってきた。結局何も伝えられなかったイツキは、自分の情けなさと和美への思いに胸を詰まらせる。
数日後、イツキは和美との出来事を拓海に話す。拓海は、そんなに好きなら言ったほうがいいんじゃないかと背中を押すが、もう2度と会えないとわかっているイツキは落ち込むばかり。だが突然、イツキのバイト先に和美が現れる!
vol.145 移りゆく季節の中で
「あの時は急だったので、ちゃんとサヨナラのあいさつをしに来た」という和美。あまりにも突然の再会にしどろもどろのイツキだったが、またもやバイトを早退し、和美と秋名湖畔へ向かう。今度こそは胸の内を告白しようとドキドキしているイツキに対し、和美は免許を取ろうと決めたことを話す。助手席は卒業して自分の意志で走りたい、自立した大人として生きていきたい。そんな真剣な和美を前に、のどもとまで出かけていた言葉をのみこんでしまうイツキ。
駅までの道が和美との最後のドライブになった。和美がつぶやく。秋名の紅葉と、生意気で優しい弟みたいなイツキを忘れない…。最後まで思いを告げられなかったイツキは、和美と別れた後ひとりハチゴーの中で泣いた…。
14巻
vol.146 涼介からのオファー
渉とのバトルから2週間が過ぎた。メカ次第で車の走りが大きく変化することを知った拓海は、メカに興味を持ち始める。そして、もっといろんな知識を見につけないといけないと感じるようになっていた。それを聞いた池谷やイツキは拓海の変化を喜ぶ。そこへ白のFC、高橋涼介が現れた!
vol.147 ギブ アンド テイク
拓海に話したいことがある、と携帯番号を手渡す涼介。バイトを終え拓海が会いに行くと、涼介は県外遠征チームの話を切り出した。1年くらいをリミットに考えているこのゲームに、ドライバーとして参加して欲しい。協力してくれるなら、お前が一番必要としていることを俺が教える。それなりの見返りもあるから考えてみてくれ。そう告げ、涼介は帰った。
拓海は、その後すぐ涼介に電話し、たずねる。エンペラーのリーダー・須藤京一は、どこに行けば会えるのかと…
vol.148 決戦!!いろは坂
いつかもう一度京一にリベンジしたいと思っていた拓海。涼介は、京一のホームコースを教えるも、向こうでやるならハンパじゃなく手強い相手だと助言した。だが、あえて不利な敵地へ行こうとする拓海の負けん気の強さを気に入る。速くなるための資質を十分に持っている、と再認識する涼介。
翌日、チームに誘われた話を聞いたイツキは、ビッグニュースに大はしゃぎ。だが、まだ拓海は迷っていた。
その夜…。悩んでいても仕方ないと決心した拓海は、何かを確かめるべく、京一の地元・いろは坂へ向かう。
vol.149 やり残したバトル
初めていろは坂に来てみて、そのすごさを知る拓海。明智平に着くと、すでに京一が待ち構えていた。「俺と競り合えるだけのいい車に乗り換えるまで勝負をあずけておくと言ったはずだ」と言われるが、同じハチロクでも前とは違う車だと拓海が告げると、京一はバトルを受けた。
ここはジェットコースターのように急降下していくダイナミックな急坂下り。生半可なマシンは通用しない!
vol.150 試される実力!!
ふもとまで下り、3つ目の橋を渡りきった地点がゴール。拓海が先行で京一が後追い、ゴールまで抜かれなければ拓海の勝ちというルール。それだと不公平じゃ…と言いかける拓海に、地元相手にハンデ無しでは勝負にならない、と言い切る京一。
バトルスタート!ハチロクの加速の伸びが確かに以前とは違う。とはいえ、350馬力のエボⅢを操る京一には大した脅威ではない…と思われたが…。
vol.151 驚愕の戦闘力!!
ハチロクがコーナーをクリアしたその瞬間!速いわけがないハチロクがなぜか一瞬速く見えた。京一は、ハチロクから伝わってくる妙なオーラに違和感を感じる。
ハチロクに載っているエンジンは、もともとグループAというツーリングカーレースでAE101に搭載されていたレース用エンジン。NAの1600ccながら11000回転オーバーで240馬力をしぼり出す、超高回転型ユニットをストリート用にデチューンしたもの。マニアックなエンジンだけに、ただ積み込むだけではイージーに速くならないが、うまく仕上がってさえすれば、いろは坂で京一に勝てるぐらいのふざけたハチロクが1台確実に存在することになる!
vol.152 ミスファイアVS.低重心
追走する京一は、ハチロクの運動性能の高さを目の当たりにするも、その程度の小細工でミスファイアリングシステムに対抗できるものかと闘志を燃やす。ジムカーナで鍛えた京一は低速コーナーの鉄人。負けるはずがないと予想する清次。
ドライサンプを採用したレース用エンジンを積むハチロクは重心が低くなり、飛躍的に運動性能が向上している。もともと曲がりに強い拓海のコーナーワークにさらに磨きがかかり、京一のミスファイアリングシステムと互角の戦いができるかもしれないと予測する涼介。
vol.153 天才VS.鉄人
いろは坂の皇帝を自負する京一は、こんなとこで負けてはいられないと意気込む。超低速180度ターンでは、サイドブレーキターンでタイトに向きを変え、 4WDのトラクションを生かして直線的に立ち上がる。コースを知り尽くした鉄壁の走りを見せるエボⅢ。これに対し、本来は高速コーナーで有効なブレーキングドリフトを、驚愕の荷重移動でブチかますハチロク!拓海以外のドライバーでは不可能な高等技術を目にし、感心する京一。だが、その技術も速さにつながらなければただの曲芸だと鼻で笑う。
vol.154 勝利へのシナリオ
タイトなヘアピンカーブの連続の中で、ターンイン時にハチロクがアンダーを出したところでインにすべりこみ、追い越すことを虎視眈々と狙っていた京一だが、拓海はそのチャンスを一度も与えることがなかった。もう少し先の急勾配が終わるところまで待って、必勝パターンのカウンターを仕掛ける作戦に出る京一。このコース最大の落とし穴は、イヤというほど続く超低速セクションに慣れきった感覚が、すぐには高速サイドに対応できないこと。それは技術とは別な人間の本能的な感覚。しかし、高橋涼介というたった一人の例外を除いての話だが…。橋のひとつめが見え急勾配が終わり、ゴールに近づく!京一は勝利への方程式を見せつけるべく、作戦を開始する!
vol.155 大決着!!トリプルカウンター
1つめの橋を渡りきり、2つ目の橋から右コーナーへの突入!橋の上からカタパルトのように打ち出される高速の右コーナーへの侵入は、低速セクションに慣らされた感覚には心臓がとび出すほどおそろしい!!視覚的な錯覚で道路が狭まって外へは寄せきれない拓海。京一は、エボⅢのパワーを生かし、その空いた空間へとスルリと車体を滑り込ませ、ハチロクの左に並びかける!!3つめの橋でインとアウトが入れ替わり、華麗なカウンターアタックで、いつもどおりのフィニッシュをイメージする京一。不利なアウト側となる拓海は万事休す!しかし、3つめの橋の左コーナーで京一の目前には信じられない光景が!絶望的に不利なアウト側にいるハチロクが無謀とも思えるオーバースピードで突っ込んだ!
vol.156 大決着!!トリプルカウンター(後編)
まがれっこねぇと拓海の無謀さに驚く京一!対して拓海は必ず曲がると信じて必死のドライビング!結果は…
間一髪!!橋の欄干すれすれまで膨らんだが、ハチロクはコーナーを曲がりきることに成功!そして、この瞬間ドラスティックなほどに両者の立場が逆転!圧倒的に不利な立場となった京一は、狭くなる道幅と最終の右コーナーでアクセルを開けられず、ノーズ半分ハチロクがリードしてゴール!京一痛恨の敗北となった。バトル終了後、誰にでも乗れる車ではないが、そのハチロクはいい車だと認め京一は去っていった。めちゃめちゃうれしいけど勝てた気はしないという拓海は、冷静にみて引き分けだろうと感じていた。そして、今日のとこは大満足だと胸をなでおろしていた。
vol.157 触発
京一とのバトルでようやく涼介のチームに入る決心がついた拓海。学校では文化祭が近づきクラスごとの出しものをするからと、ある女の子が拓海に声をかけてきた。初めて声をかけられたはずなのに、なぜか声に聞き覚えがあるように思う拓海。なぜか聞き覚えのある声が気になる拓海は、イツキにあの女の子を知ってるか?とたずねると、話したことはないが、茂木といっしょに歩いているのを何度か見たぐらいだという…。”茂木”という名前をきっかけに、拓海の脳裏に衝撃が走る!拓海は放課後、その女の子にこうたずねた。「オレん家に変な電話よこしたことあるだろ?」と…。